第35話

「な、なに?」

私は焦る。

滝川君が近い。

「髪ゴム替えたんだ、と思って。」

「う、うん。アレはもう捨てたの。ゴム切れちゃったし。」

「ふうん。」

なんか視線がツラくて少し俯く。

自分の顔が熱い。

きっと真っ赤になってる。

「月島さんて……、」

「え、」

滝川君の声に過剰に反応してしまったせいか私は頭をあげる。

ちょうど、彼と目が合ってしまった。


すると右頬に手の感触。

「顔赤いよ?」

私は何も言えない。だって滝川君が私に触れてる。

息もできない。


時間が分からなくなった。




だって滝川君と2度目のキスをしてるから。

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