第26話

「滝川君てアレが本性なんだと思わない?」

真美は自分のお弁当をつつきながらそう言った。

「……どうなんだろ。」

返答に困る。だって私もそう思ったから。

「頭良くて、カッコイイ、そして性格も問題なし!って思ってたんだけど。なんかちょっと違う感じがする。」

「で、でも世の中に完璧な人間ていないでしょ。」

「滝川君は完璧だった!」

「真美!ちょっと声大きいっ、」

「はるかは何とも思わない?」

「な、何が?」


「私はガッカリしてるの。滝川君に!」

その言葉は自分の席に戻ってきた彼に十分に届いていた。

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