第24話

さっきの滝川君、今まで見たことない感じだったな。

ちょっと怖いっていうか……。

気のせいだよね?

あの視線に威圧感を感じて私は思わず頷いてしまった。

あれだけ物腰柔らかい彼だから私の誤解かもしれない。


「見たぞ、はるか。滝川君から何貰ったの!」

真美がニヤニヤしながら前の座席に座る。


「あ、これ?物理のテキスト。」

「……、物理のテキスト?」

私は真美に滝川君から貰ったファイルを開ける。

「へぇ……、滝川君て偉い親切な。」

真美はそう言いながらも隣に座る彼を少し疑いの目で見ていた。


「滝川君、はるかにここまでする魂胆て何?」

真美の直球の言葉に私は息をのむ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る