第15話
「……月島さんはそういう人いる?」
「え?」
俯いていた滝川君は私と視線を合わせる。
その瞬間ちょっとだけドキッとした。
だってどんな角度からでも彼の表情は綺麗だった。
「分からないんだよね、そういうの。自分が今誰かのことが好きなのか、好きってどういうことか……」
あ……、確かこの前滝川君は同じ事を言った気がする。
だから女の子は、危ない、って。
「滝川君は深く考え過ぎなんじゃない?」
私がそう言うと彼の目が少し見開く。
「好きになるのってそんな簡単なの?」
「いや、そういう意味じゃなくて好きになるのに意味を考えるとかあるのかな、って。その人のことが気になるていうのも気があるウチに入るのかなって思っただけなんだけど。」
「そうなのかな、」
「ごめん、答えになってないね。あ、私そろそろ帰るね?滝川君はどうする?」
そう言うと滝川君は何かを考えて少しため息をついた。
高校生の男の子って難しい。
女子の私から見ても何考えてるか分からない。
私は教室のドアに向かって歩き始める。
「月島さん、」
後ろから滝川君に呼び止められる。
私は振り向いたその瞬間、
彼の唇の感触を知った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます