第13話

「月島さんはそのままの方がいいと思うけど。」

そう言って滝川君は右手で私の髪に触れた。


「わっ……!」

私はビックリして後ずさりする。

滝川君はコレは故意的?それとも無自覚?

とにかく滝川君が近すぎて私は焦る。


「……あ、ごめんなさい。」

滝川君も自分の行為に気づいたのか右手を引っ込めて謝る。何この人無自覚だったのー!?

天然のタラシじゃん。


「滝川君て、天然なの?」

「えと、何が?」

「だから、こういう事。」

私がそう言うと滝川君は何かを考える。

「ソレを僕も考えてるんだよね。」

「全然意味が分からないんだけど。」


「今、月島さんの髪に触ったの全然嫌じゃなかったんだよね。」

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