第10話

本気で分からなかった。

毎日誰かから告白されるけど、一体この女の子たちって僕の何を見て好きとか簡単に言ってくるんだろう、と。

全然話したこともないのに、付き合ってとかさっぱり理解できない。


「……変なとこばかりリツに似てる。」

はなちゃんは笑いながら言った。

「……え?僕が父さんに似てる?嘘でしょ。」

僕は父さんと違って喜怒哀楽は出すほうだし。

「父さんからの遺伝は頭だけじゃない?」

「セツ、そんなこと真剣に考えるものじゃないと思うけど。」

「じゃあ、いつ考えるの。」

僕はダイニングテーブルに腕を組んで少しもたれる。


「だから、考えて誰かを好きになるとかなんてナイの。」


僕とはなちゃんの間に変な空気が流れる。


「……セツ、わかった?」


「いや、全く。」

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