第46話

彼の背中に夕日が当たる――…


眩しくて目を細める私の顔を覗き込むように、屈んだ芹沢君


差し出された手をそっと握る


少し汗ばんだ彼の手の温もり


練習の成果を示す掌のたくさんのマメ


ゴツゴツとした大きな手


緊張がピークに達する


頭の中は真っ白で、彼の顔をまともに見ることができない


「ヨロシクね」


もう一度彼がそう言って微笑んだ


夕日がやけに眩しくて…目に滲みる


目を細めながら…嬉しくて溢れ出そうな涙を一生懸命…堪えた

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