「あっ、そういえば俺の名前言ってなかったよね」

「え…あ、うん」

もちろん…知ってるけど

『あ！俺は椎名翔太！ヨロシク！』

「はあ…ヨロシク」

聞いてません…

「…ってか、翔と知り合いってわけじゃなかったんだ」

芹沢君が驚いた顔をしている

『俺、知り合いなんて言ったか？初対面だよね？』

椎名君が笑いながら私に同意を求めた

「うん…名前も今知った」

「何、それ」

クッと笑って椎名君と私を交互に見ながら野球帽に手をかける

それを取って後ろのポケットに入れ込むと

「俺は芹沢透！ヨロシク、相馬さん」

そう言って手を差し出してきた

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