第56話

「ずっと滝川君に触れてなかった気がする・・・」




「そう・・かな、」



はなは俺と同じ事を考えていた



「あの庭園で話した滝川君は・・アタシから離れていきそうで、不安だった。」



「ごめん・・・」



はなは静かに泣き始める



「アタシ・・今更後悔してる。どうしてあの夜、ポケット確認しなかったのかなぁ・・・?」




「泣かないで、」




「そしたら滝川君がアメリカに行った意味をもっと早く分かってあげてたのに、アタシは早く忘れたくて滝川君を心から排除したの・・・もう二度と会いたくないって、何年も。」



俺ははなを抱きしめる




「もういいから、」




泣き止むまで



二人で抱き合っていた

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