第54話

食事を済ませるとはなをリビングに呼んだ



「そこに座って、」



はなは頷くとソファーに座る



「ご両親に話した?俺のこと・・、」




「うん、話したよ。」




珍しく俺は緊張する


緊張なんて初めてPCIした時すらしなかったのに、




「反対・・された?」




「アタシに任せるって、」


「はなに?」




「うん、お父さん達も前から何故滝川君が病院を継がないのか不思議に思ってたの・・だから今回の事で納得したみたい。」




「でも・・・」




「滝川君、両親もアタシも滝川君が誰かの子供でもいいの。現実は“滝川家”で育っているし、ちゃんと生きてるし・・アタシをずっと何年も好きでいてくれて・・・結婚までしてくれる、」




「はな・・・」




「もしかして破談を受け入れるつもりだったの?」




はなは俺を見つめる




「まさか・・・無理だよ、」



はなはため息をついた




「アタシが滝川君以外の人のためにウェディングドレス着る所なんて想像できないもの、」




俺は何だか全身の力が抜けた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る