第44話
滝川君が捨てたもの?
「俺は幼い時から此処で育ったからなのかどうか分からないけど、医師になりたいと思ってた。」
確かに滝川君は学年でいつもトップだった
アタシなんて足元にもおよばない
「医師になる事はホントに俺の中では当たり前のことで、それを高校生の時に両親に伝えると・・・反対された、」
「え?どうして?」
滝川君はずっと視線は一点しか見ていない
「・・・そんな事は誰も望んでいなかったから。ただそれだけ、」
そう言って滝川君はアタシを見る
アタシはなんて言葉を返して良いかわからない
「“滝川”の親類は俺が医師になる事を認めてはくれなかった。滝川の血筋でない人間が滝川の姓を使って医師になることが気に入らなかったんだ・・・だから日本を出たんだ、俺は医師になるために。」
・・・アタシが
刺激もなく過ごしていた高校生のとき、
滝川君は・・・
「はな、誰かに自分を否定されて生きるほど辛いものはないね、そして無条件の愛情って誰にでも与えられるものじゃない。」
滝川君の声で
その言葉は胸がしめつけられた
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