第45話

「・・あ、ごめん。喋り過ぎた。」



アタシは首を振る



「大丈夫、滝川君は愛されてるから。」



「え?」



「アタシが貴方をとても・・、」



アタシはそれ以上上手く言葉にできなくて、涙が落ちる




「はな・・そんなに哀れに俺を見ないでいいのに、」



滝川君の指がアタシの涙を拭う




「違う・・、」



そう言いかけるのに




「今の話・・ご両親に話して。破談に成り兼ねないけど・・・」



「そんなこと・・ないよ。」



「・・そうだといいけど、でも真実だから。はなのご両親はきっと・・・」




きっと・・?



「家族を捨てて、自分自身も捨てないと生きていけなかった俺に、大事な娘は渡せないよね・・」




そう言って滝川君は少し風が出てきて



乱れたアタシの髪を撫でる


それがとても優しいのに



アタシは何故か不安で不安で



堪らなかった

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