第42話

滝川君が“滝川”の人間じゃない?



「・・えと、それは血が・・」



「うん、俺は両親と血が繋がっていない。」



そう言って滝川君は笑う



「滝川君・・」




「ごめん、はなとご両親には1番大事な事を俺も両親も伝えてなくて。俺は実子であるけど・・滝川とは関係ない、」



・・・だから


滝川君は地元に戻らないんだ



「がっかり・・した?」




「え?どうして?」



滝川君はまた


俯いて笑う




「俺は医師の血筋ではないし、実際両親も誰か分からないし・・こんな事、はなのご両親が知ったら・・」



「滝川君!」




アタシは彼を抱きしめる



「どうして笑えるの、もう分かったから。」



アタシはどうして抱きしめたのか分からなかった

ただ自分の身体の震えを止めいから彼を抱きしめたのか、

彼の闇を知ってしまい、絶対手放せないと心に思ったからなのか・・・



だけど



抱きしめた滝川君の身体ははやっぱり冷たくて



冷静さを欠いたりしていなかった

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