第37話

あれから意識飛ばして目を開けたら滝川君は隣にいなかった




アタシはベッドから起き上がる



あのときの



彼に拘束されてた腕に痛みが走る




「痛・・・」



滝川君はこんなことはしない人だ



だからこの腕の痛みが余計に彼の気持ちを思い知らされる



すると寝室のドアが開く



「あ・・起きた?」



「う、うん。」



滝川君はアタシに近づく



そしてベッドサイドのライトに照らされたアタシの腕に触れる




「・・ごめん、酷いことした、」




アタシは首を振る



「・・アタシは滝川君を愛してるから辛くない、」




「はな・・・」



滝川君は右手でアタシを抱き寄せておでこに軽くキスをする



視界に彼の左手に持つ携帯が目に入る




「こんな夜中に病院から?」



滝川君はアタシから離れる



「いや・・実家から、」




「え?」



実家?




「はな、さっき父方の祖父が亡くなった。」




「えっ・・・、じゃあ早く帰らないと、」




「うん、そうなんだけど。はな、結婚式は喪があけてになる・・・」

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