第85話

そう盛大なるらしくない発言の後、舌打ちし陽向を解放する。



それと交代し今度は藍が、ぽんぽん、と陽向の頭を優しく撫でる。



「ひなた」



「藍ちゃ…」



「椿の言う通りだ。…、優先するの間違えたし、里奈子に傷負わせた事はどんな責でも負うつもりだ」



「りなちゃん、きっと絶対怒ってる。もう顔も見たくないって言われたらどうするの」



藍に縋る陽向の真っ赤な目は、幼い子供となんら変わらねぇ



甲斐甲斐しく陽向を宥めるように頭を撫で続け、




「許しもらえるまで何度も詫びるし殴られてもいい。それで里奈子を失わなくて済むなら尚更だ」



迷いなくそう言った。




……あの絶対的なNiGHTSのキングが、んなドM発言していいのかよ



連合軍の奴らがそんな聞いたら白目剥いて倒れるぞ




やれやれだよなぁ。



藍も椿も、結局は里奈子ちゃんを手放す気はねぇっつう事か



……なら、ここはひとつ。



俺からも言わせてもらおうかねぇ〜





この様子を黙って見ていた俺は、ここでようやく口を挟む事にした。

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