第83話
なんで里奈子ちゃんがこうなったのか、巻き込まれることになったのかは事前に椿から陽向を通して聞き、
この病院に駆けつけた時には、里奈子ちゃんの治療も手当ても全て終わっていた。
俺や陽向は直接本人の顔も状態も見ることも出来てねぇが、酷く服も身体も傷だらけの姿だった"らしい"
そして、特に異常はなく傷も時間が経てば治るものではあるが、念の為に数日入院、という形になった"らしい"
事実と、"らしい"の曖昧なものが入り交じっていた。
ったく、これじゃあどうしようもねぇよな〜
…にしても。
NiGHTSの溜まり場から少し離れた場所にある、
NiGHTSの範囲でもダウトの範囲でもないあのコンテナ街で、あのお嬢さんは、タケル達をよく見つけ出したな、とは思う。
目ぇ離しちゃあ自ら危ねぇ所へ行っちまう
好奇心旺盛で破天荒なお嬢さんじゃねぇか
場の空気に合わねぇ苦笑いを俺は浮かべる。
「りなちゃんは、助けてって、藍ちゃんや椿くんに求めたのに…」
色々言いたいことがあるんだろう、耐えて出てきた言葉とともに、陽向の頬からは、ぽろぽろと涙が雫となって流れ出てくる。
ぎゅうっと力強く握り締める陽向の拳は、悔しさでいっぱいなんだろうよ。
誰よりも里奈子ちゃん一番に動いてた陽向なら、
真っ先に里奈子ちゃんのSOSの電話に出て助けてやれてたかもしれねぇよなぁ〜
藍や椿がそうじゃねぇとは言わねぇけどよ、
でもなぁ〜
お前ら2人は、奈々、だったんだろ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます