だけど…シロが私を守る為に自己の命を惜しまずとも

こんな事にシロが責務を負うことも、

血や硝煙の匂いを纏って欲しくなどもない

過去に幾らでもやってきたとか、今もそんな世界に身を置いているかとか

それが事実でも

シロには、もっと、この世界でも、楽に生きて欲しい

あぁ、ほらまた

私は誰かを守ろうとしても、こうやって間違うし

彼を傷つけようとしている

意を決した私は、未だに後ろからシロに抱き込まれたままの状態で

シロの方へ身体ごと向こうと自分の身体を最大限に捩る。

｢リナさん、動かないでください。手元が狂います｣

私の動きがどうやら煩わしいらしく、

視線は目の前の男を捉えたまま、子供扱いするような口ぶりで私を諭す。

こんな状況でさえも私への口調もトーンも穏やかに変わらない

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