第44話

俺の指示に従いそれぞれ動き出した面子達が散らばり、

路地裏には俺以外いなくなった。




「慎之祐」



そのタイミングで、物陰に潜んでいたソイツの名前を呼ぶ。



出てきて構わない、と



慎重に姿を表したそいつは、それこそ目の下の隈は酷いもいつだって身に纏うスーツは上等品



何徹したんだか知らねぇがとんだ社畜だな


「寝てねぇだろ」


「あぁ、そうですね!こんな連絡がなければ4徹から解放されて寝れてたとこなんですよ!」


「それは悪かったな」


「全く貴方って人にそう言われると、あの人を思い浮かべてしまうので罪ですよ」


疲れきった表情とセットにして、はぁー…と十分長い溜息を吐く


その姿に俺は苦笑いを浮かべつつビルの壁へ背を預けた。



「それにしても、波玖の件といいタケル達の件といい

一気に重なりすぎやしませんか?」


気を取り直したらしい慎之祐は、神妙な面持ちへと変化させる


「そう仕組んだんだろ」


「天使みやびです?」


「あぁ」



ーー…天使みやび




何者なんだよ

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