第36話
ダラりと力のない身体を必死に揺すり意識を取り戻させようと声をかけ続ける。
「タケル、タケル」
「…、ぅ…うぁ。っ…あ…り、里奈子さん?」
何度目かの呼び掛けに、ピクリと指が反応しそして徐々に意識が清明となってくれる。
「うん、私。助けに来た」
「た、助けにって…まさか、1人っすか?!」
余程驚いたのか、自分の今の身体状況等気にせず勢いよく上半身を起こそうとするも、
その勢いのせいなのか、大声出した腹圧のせいなのか、身体中の傷や殴られたであろう痣達が痛むらしい
「イタタ…」とゆっくりと再び地面に背をつける
「タケル、待ってて。迎え、呼ぶ」
「…はぁ。やっぱり里奈子さん、ひとりで来たんすね」
「まぁ…いろいろとあった。でも、タケル達の居場所知ったから伝えようと思って藍と椿には一報入れたけど不在だった」
私はそれだけをタケルに伝えれば、奴の返答など待たずに自分の携帯を取り出した。
きっと、
藍の約束を守らず勝手なことしたからには絶対に説教は免れない
それは覚悟しよう。
でも、そんなことより、藍でも椿でも誰でもいいからこの状況を伝えて迎えに来てもらうのが最優先だ
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