第35話
気を失うように倒れた奴を最後は赤髪の男へ差し出すように足蹴りする
「終わったけど」
「見りゃわかる。派手にやってくれたな」
「それはどーも」
「まぁいいけど。ほら、あっちだ」
女ひとりに自分の面子をやられて、まぁいい、だけで終わらせるところは卑劣な男だなとは思う。
そんなこと、私にはどうでもいいことで、
ニヤリと口角を上げたまま奴は視線だけで私をその方向へと誘導させる。
「…!タケル、…みんな、」
数人の見慣れた姿を捉えれば私は急ぎ足に駆け寄った。
かろうじて意識はある奴もいるが、殆どが気を失っている。
倉庫で見たユータの姿と同じ様だった。
自分が受けたわけじゃない傷に、私はどうしようもなく体中に痛みを感じた。
「ねぇ。ねぇ、タケル、分かる」
他の奴と比べてまだ動けそうなタケルへと声を掛ける。
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