第37話

冷静にと思うも、この時の私はきっと必死で、


どうにかしなければ、と夢中だったんだろう。



昔の勘が鈍ったか、


それもある



けど、何かを守らなければならないと、


これ以上傷つけてはダメだと


そんな考えが、私の油断を形成させていた。





「…里奈子さんっ…!!うしろ!!」



そうタケルに言われた時、咄嗟に振り返るも遅かった





ーー…ガンッ!!!




冷たい鉄パイプが私へと振りかざされた。




「…っ」


「っち、しぶといな」



こめかみ付近から滴り流れる血を拭い、飛びかけた意識をどうにか修正し引き戻す。




油断した。



目の前のこの光景に気を取られ、赤髪の男の存在など薄れていた

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