第33話
ーー…〜っ、…だな、
ーー…あぁ…〜…っ
微かに聞こえてくる数人の声に私はハッ、とする
その声の方向は、天井まで山積みとなっている物流品類の奥の方からだった
私は早足にその方向へと足を進めれば、
物流品類の隙間から微かな灯りが漏れてくる
遮断されていた光を辿り、見えてきたのは
「おせーよ、お姉さん」
小さな灯りの下に照らされて、物流品の箱の上で座るニヤリと笑うダウトの幹部である赤髪の男と、その他数十人の取り巻きだった。
「マジでひとりで来たのかよ。怖いもの知らずな女は嫌いじゃねぇぜ」
歓迎とも言えない奴のその言葉はとりあえずシカトし、タケル達の所在を確認したい
「タケル達は、」
「おいおい、お姉さんよ。まずは挨拶からだろ」
やはり、ダウトの幹部らはこうも虚無な目をしてないとダメなんだろうか
善悪関係なし、取り巻く全てを排除したいと言わんばかりのその瞳や表情も雰囲気も
反吐が出る。
赤髪の男は、なにやら顎で取り巻きに指示を出す。
その瞬間に背後から、飛んでくるのは拳だった
1秒でも遅かったら思いっきり顔面に食らってたソレを私はギリギリで回避して、そのままソイツの腕を掴み投げ倒す。
女だからって容赦ないってことか
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