第32話

第三コンテナ倉庫前に、バイクを停める。



女ひとりで易々と開けられるような扉の作りにはなっていない正面扉はまず諦めよう



それはらば、と私は倉庫の裏手に回り何処か入り込めないか探せば、


大の大人1人分は入れそうな割れたガラス窓を見つけた。



迷いなく私はその中へと入り込んだ。



「…っ、どこ、」



蛍光灯ひとつも照らされない暗闇と、

物音ひとつしないこの空間の中でタケル達の居場所を探すのはなんとも無謀に思える。



ましてや、暗闇にまだ目が慣れない



背後を捉えられたら終わり



私は、ジッと目を瞑り、風ひとつの音でも聞き逃すまいと全神経集中させる。


こーゆう場面には、過去に何度もぶち当たったことがある


その経験が今も尚活かされるとは、



皮肉なものだと思う

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