第23話

唯一、前にもらった愁からの情報しか私は持っていない。


ダウトの前トップの真相は分からないが

藍達との接点はみやびにはない


単なる、昔からのチームの確執にみやびが付き合っているというのはないだろう



本当に、奴は何かがあって私を目的としているということだ。



『あんたは、俺の事知らない方がいいよ』


『え、』


『後悔する』


『どういうこと』



意味深なみやびの言葉を問いただすも、暫くの沈黙が続くだけ

残念ながら、私は奴の思考回路は汲み取れない。



『夏目波玖やNiGHTSの連中をどうするつもりかってあんた聞いたっけ。』


……こいつ、清く話し逸らしがったな


『NiGHTSの連中らは知らない。好きにしていいしか俺は言ってないし、泉の自由にやらせてる』


立華泉…


波玖を連れ去った、波玖の幼馴染とかいうダウトの2番



名だけしか知らないその存在に私は軽く舌打ちをする


『タケル達は今どこにいる。無事じゃないならあんたのこと殺す』


『アンタがそれ口にすると冗談に聞こえねぇな。NiGHTSのお姫様なしおらしくしてろよ』


『別に私はお姫様でもない』


『あぁ。あんたは奈々の代わりのお姫様だもんな』


唐突に発せられたそのお姫様の存在の名で一瞬だけ私は動揺を見せる。

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