第24話

携帯越しだからそんな隙は分からないだろうという逃げなどこの男には通用せず


『あれ、傷ついた?』


分かっていたかのように奴はケタケタと笑ってそう言ってみせる。


『傷つくって私が?馬鹿にしないでくれる、そんなもの一度も感じたことない』


『へーつまんない女。傷つけばいいのに』


『残念。利用したいなら利用すればいい事なんて奴らに言ってある』


…まぁ、藍は、利用するつもりなどないと、言ってたが



『それでいてNiGHTSの連中らを助けたいとか思うわけ?』


『そうだと言ったら波玖やタケル達を解放してくれんの』


『泉次第だね。言っただろ、俺が出した指示は好きなようにしていいって』


『じゃあ、解放しろって命を出して』


『それだとつまんねーだろ。あぁ、でもひとつだけいい事教えてやろっか』


これ以上ないような愉しそうな声が、私にとっては嫌な予感でしかない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る