第22話

『あっはは!いいね、アンタみたいな女のその余裕そうな強がりが崩れる感じ、最高に興奮すんね。

あんたって、実家の話題はタブーなわけ?』


奴が普通じゃないことは分かってはいたが、


あの声で制したつもりでも、それでいて狂ったように笑った奴はコイツが初めてだった。


本当に、生きている人間味を感じられない。



『篠原里奈子、篠原…ねぇ』


きっと奴が私目の前にいるとするなら、獲物を捕えるかのようにして舌なめずりしているだろう


次奴からなにか言われたら今度こそ奴のペースになってしまう。



『私のことなんてどうだっていいでしょ。それより、タケル達は何処なの。波玖…、ハクをどうしたいの』



個人的な目的が私へと存在しているのなら、


周りへ危害を与えないで欲しい



『アンタの目的が私なら、私だけ狙って』




そんなこと、間違っている。




『みやび、あんたは何者なの』




私はみやびの存在を知らない。



ダウトの頭である前に、何者であるのかなど知らない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る