『元気にしてた？お姫様』

あの闇夜の日、あの血の気のない奴の顔が思い浮かぶ

久しぶりに聞いた、この声も

やっぱりどこか人間離れしたような感じがして怖い

少しだけ携帯を持つ手に力が入る

『あぁ。俺のこと、忘れちゃった？』

人を試すように、愉快にケタケタ笑う奴の表情を想像するだけで気味が悪い。

出来たら、関わりたくない

こんなこと藍達に知られたら絶対怒られるし、呆れられる

だけど、これは絶好の機会だ

逃すわけにはいかない

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