第14話

「タケルたちは明日にでも片がつく。波玖に関してはギリギリまで時間はかかるだろうな」


「波玖は、そんな危ないことして平気なの」


その問いに藍の手が少しだけ強ばったのが感じられる。



「知ってるか、里奈子。あいつは勝算のない事には首は突っ込まねぇ、それにバックに亜貴をつかせた。問題ないだろ」



仲間、を信じていないと出てこない言葉。



藍はこうして時々そう言葉にする。



言葉数が多い方でもない奴だからこそ重みのあるものだ。



「うん、なら大丈夫だ」



私もそう藍に言った。




キングの言うことは絶対だ、


あんたが言う言葉には酷く安心する。




「藍、私もなにか出来ることない?」



ただ内側の外で、傍観者のように見ているだけの主人公なんて自分で自分が呆れる。



「里奈子、あのな「分かってる。私を家に帰そうとしてる理由も、いまの状況がどれだけ危ないことなのかも、分かってるから」」



状況が進まない今は、幹部陣も出払って尚且つ人員的にも手薄な溜まり場に私を居させるのは危ないと、


だから一旦帰らせたいんだろう。



分かってるし、それならそれで大人しく従うつもり。




「なら、大人しく家にいてくれ」



「それが出来そうにもないからこうしてキングに頼んでるんでしょ」


事が進む時、ジッとしてるなんて選択肢は私にはない。



だから、あんたの…キングの指示が欲しい

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