第11話
バタバタと去って行く足音が遠ざかり、亜貴達もまた行動に出たんだと悟る。
「残りはそのまま待機だ」
「「「はい!」」」
この空間に残された面子へ藍はそう言い伝えれば、私の手を掴み歩き出す。
辿り着いた場所は2回の部屋ではなく、いつもの送迎として使う黒塗りの車。
半ば強制的に車内へ押し込まれれば、容赦なく藍も隣へ座り込んできた。
「ちょっと、藍」
急になんだと私は藍を一瞥する。
「里奈子、一旦帰るぞ」
"出せ"
運転手への指示を付け足して。
その言葉に私は眉を寄せる。
…こんな時、
こんな時だから、私はアンタ達の内側にはいさせてもらえないってこと?
厄介な外部者だと、役にも立たない女だってそう言いたいってこと?
「違ぇ」
私の意図を読んだのか知らないが、ハッキリと否定の言葉を述べる藍。
そんな藍を再度訝しげに見やる。
「里奈子。お前の考えてる事は違う」
「……私の、考えてること」
「あぁ、そうだ」
ぽん、と藍の手は私をあやす様に優しく頭上に置かれる。
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