第82話

人が真面目にそう言うが、波玖は


「亜貴さんも言ってたけど、」


そこで一旦間を置いて



パサりと私の着ていたそのパーカーを奴は脱がしてきた。


露になる自分の水着姿。少しだけ生ぬるい風が全身を這うようにして撫でている。


隣にいる藍も、椿たちもこの行動は予想外だったのか、思いっきり眉間にシワが寄せられる。


陽向に関してはもうショート寸前といったところだ。



「大胆なことすんね」


と、波玖はそのなかなか見せない笑みを作った。



………。



とんでもない奴だ。


きゅっと口を結び、私も奴ら同様に眉間に皺を寄せる。


着ろって言われたり脱がされたり、どっちだ。



生意気な波玖は、みるみるうちに多方面からの攻撃を受ける羽目になったがコレも自業自得だ。

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