第80話
日焼けをしたんじゃないかぐらいに顔も耳も首元も真っ赤に染め上げた陽向は思いっきり顔を両手で隠した。
……いつも思うが、それ隠せてない。
「なんだよ陽向、騒がしいな」
「ひなちゃん顔真っ赤じゃねぇのよ」
私と藍に後ろ向きになるようにシートの上で後ろ手をつくように座っていたダークヘアの奴と藍色のパーマの奴が同時に顔だけをこちらへと振り向いた。
「……」
「……」
椿と亜貴の2人は煙草を口に咥えたままフリーズしたかと思えば、ゆっくりと顔を見合わせる。
ダークヘアの甘ったるい瞳と色っぽさと
藍色のパーマのかかった妖艶で濡れた切れ目の瞳と色っぽさが、
重なった瞬間に2人とも不敵に妖しく弧を描いた。
「藍、お前の趣味かそれは」
椿のその言葉に、とんでもない魔のオーラが後ろから放たれる。
「んなわけねぇ」
「白はそそるじゃねぇの」
ペロリ、と舌なめずりするような仕草をとる亜貴。
「店の女が選んだ」
藍は波玖の隣へ座りながらそう言い捨てた。
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