第58話

私達3人だけのこの空間に、そよそよと吹く風とセミの鳴く音だけが優雅に聞こえてくるだけ。



夏の風物詩とも言えるその音を音楽のようにして聞きいれば、その音が、徐々に…



徐々に強くなっていくような、そんな感覚になる。




それがまるで警報機のような警告音のように。







「こりゃ神聖な場所に不良が参拝かよ」


「随分笑かしてくれんじゃねーか」






この場所には全く場違いな、愉快な言葉が背後から届いてきた。





……誰かご後ろにいる。

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