第33話
「じゃあ、リナの代わりに俺が行くわ。」
゛いいだろ?響さん゛
「あぁ、行ってやれ。アイツ何気に愁に懐いてるしな」
「アイツ素直に育ってんな」
「ガキのくせに誰に媚び売ればいいか分かってんだろ」
響の楽しげな声に乗せて、ふはっ、と少し嬉しそうな笑みを零せし愁はそのまま門のその先へと行ってしまった。
少し遊んで来るはずだ。
この流れも本当にいつも変わらない。
私の代わりに会いに行くと言いつつ、ついでに遊んでやって、それで疲れきったように戻って来る。
今回もそんな流れになるだろう。
家の関係者中でも絶対的な権威を持つ立場の愁を振り回してるその小さな姿を思い浮かべれば、自然と笑みが漏れてしまう。
「少しずつ笑うようになってきたな、リナも」
門の壁に背をつけてしゃがむ響は、2本目の煙草を口にする。
施設内だと禁煙になってるはずだから、我慢してたんだろう。
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