第32話
月に一度。
私がここに足を運ぶ理由はまだ言えない。
この場所は、
児童施設園。
【ユリノキ】
一般的に言えば、親を失くしたり虐待等の理由で他者の介入が必要となる子供が集まる場所。
更にいえば、愁の管轄になるこの施設は、あまり大きな声で言えないような裏の事件に巻き込まれて親を失った子供や預われている子供が殆どだ。
ユリノキは、複雑に絡まってこの街の丘の上に存在している、そんな施設だ。
「あの子元気」
門のその先にいる、
恐らく、元気いっぱいの声の中のひとりにいるだろう、その存在が元気なのか
「変わらないな」
いつもの決まり台詞を言いながら、私に小さな封筒を渡してくれる。
毎月少しずつ増えていく宝物。
「会ってくか?」
その質問の私の答えなんか分かりきってる割には必ず聞いてくる。
そっと、首を横に振る。
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