第23話

「随分とあのガキ共に可愛がられてるみてぇだな」


運転席に座り、器用にハンドルを捌く愁をキッと睨み付ける。


珍しくシロは不在だって言ってた。


義兄のご立派な車に乗せてもらい、私はある場所へ向かう。


藍とも電話も終われば私は奴と一緒に車へ乗り込んだのだ。


それから暫く、普段の学校や溜まり場へ行く道とは全然違う通りを走る。



「学校生活はえらく楽しそうだな」


「別に」


「おい、それじゃ答えになってねーよ」


「…む」


「答えてみろ、りな」


「………楽しくないことはない」



やっぱりいつ行っても落ち着かない場所へ行く為私も少なからず緊張というものをしているらしい。


愁の言葉ひとつひとつに反応してしまう。

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