第22話

そう、今日は、月に1回のあの日。


愁とこうして出掛ける日だから溜まり場へは顔を出せない。



『お前、街の方には出んなよ』


『なんで』



『なんでもだ、危ねぇから気をつけろ。なんかある前に連絡寄こせ』


『無茶言うな』


なんかある前にあることなど予想なんて出来ない。


奴は、ダウトの事を危ないと言ってるんだろう。

別に街の方になんて行く予定などない。





もう時間だ、出なければ。



『里奈子、また明日迎えに行く』


電話越しから藍の声と、そして数台のバイクのエンジン音が聞こえてきた。


欄も忙しいのか。


奴はそれだけ最後言葉に残せば、プツリと電話が切れた。

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