第19話

「ハクちゃん珍し〜人に優し」


ホーッと感心するように波玖を見つめた陽向は、


ムクリと体を起こした。



……くる。


予感がした。



「りなちゃーん!」


予感的中。


陽向は思いっきり私に向かって突っ込んでくる。


日に日にその勢いは増すばかり。


「ね〜、ハクちゃんとどこ行ってたの?」


ぶんぶん尻尾を振って真ん丸な目を私に向けてくるその陽向は子犬同然。


「コンビニ、アイス」


とひと言だけ返し私はソファへ腰をかける。


「コンビニ…アイス…?」


その私の発した単語を繰り返すように陽向は呟けば、その意味を解読しようとしている。


「ん、やる」


私は買ってきた箱アイスからアイスを取り出し陽向に差し出す。

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