第7話

それは学校終わり、珍しく私の教室まで迎えに来たのは椿で、奴のバイクで溜まり場まで向かった。


「ほら、里奈子」


部屋まで着けば、いきなり渡される(無理やり)千円札。

それを不信に見やれば


「アイス食うんだろ、それで勘弁してやれよ」


それは昼間の事を言っているのか。


最後の勘弁してやれよ、は藍に向けてなのか。


今日は、藍も、亜貴も陽向も出払っている日らしい。


そう言えば、学校にも来てなかった気がする。


「いい、自分で買う」

そう言って、このお金を椿へ返そうとするも、


「一度渡したもんは返品不可」


ヒラヒラと面倒くさそうに手を振り拒まれる。


ふぁ、と欠伸を噛ませば奴はどうやらベッドルームへ行きたいらしい。


「買いに行くなら、そこで暇してる波玖を連れてけよ」


そう言って椿は部屋を出ていった。

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