第6話

ーー…

ーー……


「で、なんで俺なわけ」


「知るか」


奴がアンタを指名したからでしょ。


先日の花火大会以降から更に暑くなった気がする。


夕方になりかけている割には暑さが引けない外を、ホワイトブリーチの頭をした相変わらず素っ気ない波玖と歩いている。


バイクでも車でもなく、徒歩で。


「あっつ」


そう口にする割には、その頭の色も美人な顔もなにもかも涼しげな気がするけど。


「いーの、早く行く。アイス」

それだけ言えば、ダラダラ歩く波玖の手を掴み引っ張っていく。


「っち」


藍達には敬語掴う波玖だが私には変わらずこんな態度だ。

ただ、嫌そうな顔はするが、振り払わないのもこうやって着いてきてくれるのも、


やっぱり波玖は案外良い奴なんだ。



…まぁ、奴に頼まれたから断れなかったってのもあるだろうけど。




ーー…

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