第3話

「いーから、藍は」


甘ったるさ全開で、少しだけ挑発を含ませた鋭い目の椿に、負けじと私は言い返す。



「だから、藍になんの用だっつってんだよ」


ムッと口をへの字に曲げたまま、椿を下から睨みあげる。


こんなことで、椿に当てても意味無いんだが

これも全て藍のせいだ。


「藍、私のアイス食った」


昨日、陽向から貰ったアイスがなくなってた。


奴らの中であれを食うなんて、奴しか見当たらない。



だから、文句1つ言おうと私はわざわざこうして3年の、藍のクラスまで足を運んだんだ。


まさか、教室の扉開けて顔出してきたのが椿は誤算だったが。


奴らは同じクラスメイトだったのか。



「で、藍は」


「はぁぁぁぁ…」


溜め込んでいたかのように、思いっきりため息というかなんとも言えない声を出し、椿はそのまましゃがみ込んだのが確認できる。


「食いもんの恨みはこえーな」なんてボソボソ呟いてんの聞こえてるんだけど。

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