035.

第2話

「藍、いる」



ムスッと不機嫌全開で私は仁王立ちで奴に尋ねた。



好奇の目でちらちら周りから見られていても今はどうでもいい。



私の突然の訪問に、この目の前のダークヘアから覗かせるその目は明らかに呆れたような、勘弁してくれと言いたそうだ。


はぁ、と小さなため息と、奴が吸った煙草の煙が同時に吐き出される



相変わらず濃紅のピアスは光ってる。



「お前は、3年の教室まで来てなんの用なんだよ」

ー…しかも1人で来てんじゃねぇよ、危ねぇな


そう言葉を付け加え、


教室入口の扉に身体を預けたまま訝しげに私を見る。



「今は椿は関係ない」


「へぇ、上等じゃねーか」


私のその言葉を挑発と捉えたのか、にやりと不敵に笑えば奴は身体を預けていた扉から離れ、私のとの距離を詰める。

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