035.
第2話
「藍、いる」
ムスッと不機嫌全開で私は仁王立ちで奴に尋ねた。
好奇の目でちらちら周りから見られていても今はどうでもいい。
私の突然の訪問に、この目の前のダークヘアから覗かせるその目は明らかに呆れたような、勘弁してくれと言いたそうだ。
はぁ、と小さなため息と、奴が吸った煙草の煙が同時に吐き出される
相変わらず濃紅のピアスは光ってる。
「お前は、3年の教室まで来てなんの用なんだよ」
ー…しかも1人で来てんじゃねぇよ、危ねぇな
そう言葉を付け加え、
教室入口の扉に身体を預けたまま訝しげに私を見る。
「今は椿は関係ない」
「へぇ、上等じゃねーか」
私のその言葉を挑発と捉えたのか、にやりと不敵に笑えば奴は身体を預けていた扉から離れ、私のとの距離を詰める。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます