第85話

ぽんぽんと2回私の頭を優しく撫でると、そのまま亜貴は私の隣の席へ腰を下ろす。


「りなちゃん、無防備すぎるよ〜」

とズルズル頭を抱える陽向。


やっぱり、見慣れないメガネ姿の陽向。



「お礼は里奈子ちゃんでもいいんだけど」


飴玉をくれた礼をしろってか。


ただ、変態は椿だけで十分だ。


興味のない私はふいっと奴から視線を逸らす。



「それより、どうしてそれしてるの」


どうにも気になるのは陽向のメガネ。


「気になる?」


「…うん、気になる」


じっと私は陽向を見て素直にそう言えば、みるみるうちに顔を赤く染める陽向。

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