第81話

亜貴はあまり倉庫にも学校にも姿を見せない。

偶に顔見せれば「元気にやってんの〜?」なんてダラケた話し方で話しかけてくる。


慧二郎さんははじめて会った日から会ってなく、波玖という男は常時部屋の中にいる、気がする。

初めの1週間はそれこそあまり私には近寄らず警戒心丸出しでいた奴だが、最近は偶に会話をするようになった、気がする。


特にやることもなく倉庫に顔だし部屋の中では、

陽向とお菓子を食べたり、陽向のするゲームを鑑賞してみてみたり、偶に椿にからかわれ、

ソファの上で藍のタオルケットを借りて寝たりと、


そんな生活が3週間ぐらい続いた頃。




「りなちゃん〜おはよ」


「ふぁぁ」


「もー欠伸しちゃって、可愛い〜ね」


朝から鬱陶しいぐらいにうるさいヤツだ。


つんつんと私の頬を突っつく陽向の今日の席は私の目の前だ。



陽向の席は、私の斜め前が本当なんだが、こうして私が登校するとき限定で席が変わる。

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