第63話
サッと、亜貴は私の髪を触り耳をさらけ出す。
チクッとした痛みを一瞬だけ感じた為、その痛みの元を自分の指で触れて確認する。
「ほら」
耳元を確かめれば、ピアスが付いてることが分かる。
こんなことしてなにがしたいの、
そう亜貴に聞こうとした時、
ーガンッ!
思いっきり扉が開いた。
「篠原さんいるの!!」
元気いっぱいの声。
「…ってぇ」
突然の衝撃に流石の亜貴も表情歪め唸る。
それもそうだ。
入口扉に寄りかかっていた為、勢いよく開いた扉にぶつかったのだから。
「今日も元気いっぱいじゃねえの、ひなちゃん」
呆れに近い声で、元気いっぱいな彼に言う。
「あーちゃん、んな所でなにやってるの」
本当に不思議そうな表情で、飴玉みたいな大きな瞳をクリっと亜貴を映し出しキョトンと首を傾ける。
その動作だけで、女と勘違いさせられそう。
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