第57話
「おいおい、ここまで来てまだ抵抗するつもりかよ」
なにを勘違いしてる。
椿の呆れに近いため息とその言葉に私は不愉快そうに口を曲げる。
「そうじゃなくて、」
「この部屋に女入れていいの」
私がそうこの2人に問えば、その答えをくれたのは椿。
「藍が許可してんだからいいんじゃねえの」
当の本人は、相変わらず無表情。
なにを考えているから分かるはずもない。
それでも入ることに躊躇っていれば、「ほら」と強制的に部屋の中へ引っ張られる。
そして、ストンと3人がけソファに座らされる。
私の目の前には、睡眠に入ってる藍。
1人がけソファに気怠げに脚を組んで座るのは椿。
そして、更に奥の方でカチャカチャとキーボードを弄る音が響く。
「波玖(ハク)客だ。茶でも出してやれ」
煙草に火をつけフゥっと白い煙を出し、キーボードを弄る主に命令する。
背を向けるようにして椅子に座り、パソコンを向き合っているホワイトブリーチがかかるサラッとしたストレートな短髪男。
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