第42話
そう思った時は既に遅かった。
じわじわと詰め寄って数人の手が私の制服へ伸びてくる。
愁から校内で喧嘩は絶対禁止の令を出されてる私。
だがしかし。これは正当防衛に当てはまるはず。
グッと拳に力を込めた時…
「めんどくせぇのに絡まれたな」
ふわっと風にのって香るクセのない爽やかな香水の匂い。
そんな爽やかとは正反対に等しい、
全身が震え上がる程の痺れるテノールボイスが私の耳元で囁かれる。
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