第19話

あーちゃんと塩崎ちゃんが昨日の言い合いの続きを繰り広げて、それに何故か俺が巻き込まれる。


いつもの事なんだけどね。


俺やあーちゃん以外の奴らは、塩崎ちゃんの前なのか全然口を開く気配はない。

まぁ、怖いよね塩崎ちゃん。


適当にいつものように言い合いをしていれば



「………で、外にいるのダレ」



あーちゃんは、意味ありげな表情で少し笑う。

外に誰かいるの?

俺は少し首を傾ける。

そーゆう第六感ってやつは俺は疎くて、あーちゃんは凄い長けている。



塩崎ちゃんが言うには、編入生だと。



こんな時期に編入生かぁー。


ふーん。

女でも男でもなんでもいいんだけどね。俺、興味無いし。



そう思ったのは一瞬で。





「篠原 里奈子」

女にしては少し低くて、それでも女特有の柔らかくて綺麗な声が教室内に響き渡る。


その声だけに、酔いそうになる感覚があった。


少しだけ胸が踊るようなソレを抑えながら俺は教壇の前に立つ女に視線を送る。

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