第11話

ーーーガラッ。


廊下と同じぐらい騒がしかった教室が、

担任が来たことで一気に静かになる。


さすがの不良校でも、担任と生徒間いう上下関係ができているのか。


まぁ廊下でサボりまくってた奴らは多かったが。

教室内にもそこそこ生徒が大人しくいるようだ。



「…塩崎ちゃーん、昨日叩かれたとこまだいてぇーよ」

シンとした空気を突き破ったのは、気怠気な伸びきった声だった。


「軽く叩いただけだろー。第一お前が俺の授業サボって女と遊んでんのが悪ぃんだろーよ。自業自得だ」


「あれのどこが軽くだよ。みろ、たんこぶできてるんだぞ」


「気にするな。富浦の脳内は既にたんこぶだらけだ」

「だーってよ、ひなちゃん」

「なっ!違うよ!今、塩崎ちゃんは富浦って言った!!」


気怠気な伸びきった声と担任の声に続き聞こえてきたのは、元気いっぱいな可愛い気のある声だった。


「こまけぇーこと気にすると身長縮んじまうぞー」


「うわぁー!塩崎ちゃん!あーちゃんの事もっかい殴って!」


「うっせぇぞ!黙ってろ!話が先に進まねぇ!」


教室の中から聞こえてくるのは、この3人の声だけ。

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