第15話

「ほれっ、みんなんとこ行こ」



「……」


それでもドアの側に突っ立ったまま、黙り込む俺を千里が覗き込んで


「…詩歌と……なんかあったんか?」


そう聞いてきた




なんか…?なんにも…アイツが勝手に言いたいこと言って、そんで、“バイバイ”



「……なんも」



別れる直前になって、自分が楽になりたいからって、自分勝手に告白してきた詩歌に



時間が経つにつれて腹が立ってきた



「なんもないわっ」


下に落ちていた鞄をグイッと乱暴に持ち上げて、他のメンバーが待つ席へと向かった



「おい!瞬!?」

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