第14話

しびれを切らした千里がドアから出てきて俺の腕を掴んだ



そこでようやくよろけながらも動いた足



肩越しに詩歌の方に振り返ると



曖昧な微笑みを返してきた


―――…なんで、なんでお前は一緒じゃないんか




千里に引っ張られる形で時間ギリギリにドアに滑り込んだ


その直前


「バイバイ、瞬」


そう呟いた詩歌




「詩――――」



目の前でドアが閉まり、新幹線は東へと進んでいく



どんどん小さくなって見えなくなっていく詩歌の姿

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